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関東近県で障害者雇用を検討する企業へのアドバイス~成功企業の事例から学ぶ導入のポイント~

障害者雇用を成功させるためには、単に採用枠を設けるだけでなく、適切な職場環境の整備、業務の最適化、社内の理解促進が不可欠です。ここでは、成功企業の事例から見える共通の成功要因を整理し、これから障害者雇用を進める企業に向けてお伝えします。

〇事例から見える成功要因の共通点
関東近県での障害者雇用成功事例を振り返ると、各企業が以下の3つのポイントを押さえていたことが分かります。
1.業務の最適化と柔軟な職務設計
成功した企業では、障害のある社員が働きやすいように業務内容を細分化し、適性に応じた職種を選定していました。
【具体的な工夫例】
・大手製造業A社:組立工程を細分化し、視覚的に分かりやすいような作業指示を導入して、「何度も聞かなくてはならない」という障害者の心理的負担を軽減しました。
・IT企業B社:テレワークを活用し、通勤が難しい障害者でも在宅勤務できる環境を整備しました。単にテレワークを導入するだけでなく、定期的に直接顔を合わせられるように出勤しやすい時間に会社に来てもらいコミュニケーションを取れるように工夫しています。
・小売業C社:ジョブコーチ制度を活用し、障害者が業務をスムーズに習得できるようサポートしています。誤解されがちですが、ジョブコーチは企業の相談にも応じて「企業にとっても障害者が雇用しやすい」仕組みづくりを手助けしてくれます。

これらの取り組みにより、障害者は働きやすいという『心理的安全性』を得られることができ、結果として業務定着率が向上し、企業全体の生産性向上にもつながりました。こういった単に制度を導入するだけでなく、それにより結果がどうなっていくのかまで考えて工夫を検討することが重要となります。

2.職場環境の整備と合理的配慮
障害者が安心して働ける環境を作るために、成功企業では合理的配慮を徹底しています。
【具体的な施策】
・物理的環境の整備:バリアフリーへの対応や作業場の安全確保の促進などを障害者本人や同僚の意見を参考に整備を進めました。こういったことに利用できる助成金も多く用意されています。また、ジョブコーチなど外部の支援機関の意見を参考にすると、より働きやすい職場づくりに繋がります。
・コミュニケーションツールの導入:聴覚障害者向けの筆談アプリ、視覚障害者向けの音声読み上げソフトなども昨今の生成AIの発展により促進しています。外国語の自動翻訳を導入するような視点で考えてみると活用が進むことが多いと思います。
・フレックスタイム・時短勤務の活用:体調管理が必要な障害者が無理なく働ける勤務形態を導入しました。障害特性により時期やその日の天候により気分の変動がある場合などの対応として、学校のように定期的、申告制の短時間休憩を設けることも有効です。

支援制度や助成金を活用することで、企業の負担を軽減しながら職場環境を改善できるため、積極的に取り組むことが推奨されます。

3.社内の理解促進と教育の徹底
障害者雇用を成功させるためには、会社全体の理解と協力が必要となります。成功企業では、定期的な研修を実施し、従業員の意識改革を進めていました。
【取り組み例】
・障害者雇用に関する社内研修を実施し、適切な配慮や接し方を学ぶようにしました。配属された管理職や同僚も障害の知識を得ることにより、安心して接することが出来るようにつながります。
・障害者と他の従業員の交流イベントを開催し、職場内のコミュニケーションを活性化します。気を使いすぎて孤立してしますことも多いので、こういったこと以外にも声がかけやすい席に配置するなどの工夫も必要です。
・社内メンター制度を導入し、障害者が業務で困ったときに相談できる環境を整備しました。決まった人だけで行うと負担を重荷に感じてしまうこともあるので、グループで行う、一定期間で持ち回りを行うなども検討すると、コミュニケーションの輪が広がるきっかけとなります。

これらの施策により、社内の障害者雇用に対する理解が深まり、受け入れ体制が強化されました。

3.これから障害者雇用を進める企業へのメッセージ
障害者雇用は、単なる法的義務ではなく、企業の成長と社会貢献の両方を実現する重要な取り組みです。
(1)小さく始めて継続的に改善する
初めて障害者雇用に取り組む企業は、まずは1名の採用からスタートし、職場環境や業務内容を調整しながら進めるのが理想的です。一度に大規模な採用を行うのではなく、段階的に受け入れ態勢を整え、継続的な改善を行うことが成功のカギとなります。

(2)支援機関や社労士を活用する
障害者雇用には、助成金や専門機関の支援を活用することで、企業の負担を大幅に軽減できます。
【活用できる支援機関】
・ハローワークの障害者雇用サポート(求人情報提供、職業訓練、マッチング支援)
・障害者就業・生活支援センター(企業向けのアドバイス、職場適応支援)
・ ジョブコーチ制度(専門家が職場に訪問し、障害者の業務習得をサポート)
また、社会保険労務士(社労士)と連携することで、社内の法的手続きや助成金申請をスムーズに進めることが可能です。

(3)企業全体で「共に働く」意識を持つ
障害者雇用を成功させるには、経営陣だけでなく、職場全体で「共に働く」という意識を持つことが大切です。成功企業の事例を見ても、「障害者を支援する」のではなく、「共に働く仲間として受け入れる」 という考え方が浸透している企業ほど障害者の定着率が高く、職場の生産性も向上しています。

関東近県で障害者雇用を成功させた企業の事例を振り返ると、以下の3つのポイントが共通していました。
① 業務の最適化と柔軟な職務設計 → 障害者の適性に合った業務を提供し、適材適所の配置を行う。
② 職場環境の整備と合理的配慮 → バリアフリー化やフレックスタイム導入など、働きやすい環境を整備する。
③ 社内理解の促進と教育の実施 → 社員研修やメンター制度を導入し、職場全体で障害者雇用を支える体制を作る。
今後、障害者雇用を進める企業は、「まずは小さく始め、継続的に改善」「支援機関や社労士を活用」「企業全体で共に働く意識を持つ」ことを意識しながら取り組んでいくことが重要です。障害者雇用は、企業の成長にもつながる重要な経営戦略の一つです。適切な準備と支援を活用しながら、一歩ずつ前進していきましょう。

〇障害者雇用の成功を支える専門家の役割
障害者雇用を進めるにあたり、企業が直面する課題の一つが法的手続きや制度の活用方法です。適切な雇用を実現し、企業の負担を軽減するためには、専門家である社会保険労務士(社労士)に相談することが大きなメリットとなります。社労士は障害者雇用に関する法的アドバイスや助成金申請のサポートを行い、企業の円滑な雇用管理を支援します。ここでは、社労士が提供できる具体的なサポート内容について詳しく説明しますので参考にしてください。

1.障害者雇用に関する法的アドバイス
(1)法定雇用率の確認と適用義務のアドバイス
企業は障害者雇用促進法に基づき、一定の雇用率を満たす義務があります。2025年7月からは法定雇用率が2.7%に引き上げられる予定のため、企業は適切な対応が求められます。
【社労士ができるサポート】
・自社の正確な障害者雇用率を計算し、適用義務の有無を確認します。これにより、未達成の場合の改善計画の策定を御社の会社に併せて具体的なサポート提案をおこないます。これにより『単に採用しなくてはならない』という漠然とした認識から、どう考えてどう進めていくのか具体的なスケジュール感をもった計画をもって検討することが出来ます。また、適用対象外の企業でも、障害者雇用を進めることで得られるメリットを提案することも可能です。。

(2)障害者雇用に関する法的リスクの管理
障害者雇用を進める際には、合理的配慮の提供が求められます。企業が適切な配慮を行わず、不当な対応をすると労働トラブルの原因になる可能性があります。実際にハローワークに寄せられた差別や合理的配慮提供の相談は年々増加の傾向があります。
【社労士が提供できるアドバイス】
合理的配慮の具体例を提示(バリアフリー化、勤務時間の調整、テレワークの導入など)し、寄せられた相談をもとに会社で提供できる範囲の判断提供などを提案することが可能です。また、障害者雇用に関するハラスメント対策(職場の適切な受け入れ環境の整備)や差別的な取り扱いなどの困りごとのついて必要な相談先の提供や弊社であれば顧問弁護士にリーガルな確認をした事案解決の提供が可能です。
さらに労働契約の適正化(雇用契約書、就業規則の作成・見直し)など、広範囲のリスク管理および情報の提供が行えます。

(3)採用から定着までのサポート
障害者を採用しても、定着率が低ければ企業にとって大きな負担になります。社労士は、適切な採用方法や会社ごとの職場環境の整備についてもアドバイスが可能です。
【社労士によるサポート内容】
障害者向けの採用プロセス設計(求人票の作成、面接のポイント)だけでなく、会社に合った障害特性の判断、状況に合わせた障害者雇用基準の設計など、やみくもに進めるだけでなく会社の目的に沿ったけいかくが提案作成できます。
さらに、失敗している企業では事前の職場の受け入れ体制の整備(社員向け研修、ジョブコーチの活用)が準備されておらず、採用した障害者の不信感が早期の離職に繋がるケースも多いため、そういった場面ごとではない対応が可能です。そこから始める「定着支援プランの策定(メンター制度、キャリアアップ支援)」など、法的なリスクを見据えた提供をおこなえます。

(4)助成金申請・手続きサポート
障害者雇用を進める企業は、国や自治体の助成金を活用することで経済的負担を軽減できます。しかし、助成金の申請には複雑な手続きが必要であり、条件を満たさなければ受給できません。社労士に相談することで、最適な助成金を選定しスムーズな申請手続きが可能になります。
① 利用されることが多い助成金
社労士は、企業の状況に応じて、以下のような助成金を提案・申請代行します。
・特定求職者雇用開発助成金(障害者を新たに雇用する企業向け):障害者を採用した場合に最初に申請することが多い女性んで、中小企業は最大240万円、大企業は最大120万円が雇用期間に応じて支給されます。
・障害者雇用安定助成金(職場適応援助コース):ジョブコーチを活用する場合、1人あたり最大72万円支給されます。ジョブコーチを入れることで、すべての負担を企業が考える必要もなくなります。
・障害者トライアル雇用助成金(試用期間を設けて採用する企業向け):1人あたり最大12万円支給(最大3か月間)されます。いきなり採用を懸念する企業に対して、職場に合うかなどを見極める期間を置く場合に活用できます。
・テレワーク助成金(東京都など自治体の補助制度):障害者の在宅勤務環境を整備する企業向けの助成金です。

② 助成金申請の流れと社労士の役割
助成金の申請は、多くの書類作成や行政手続きが必要になります。社労士がサポートすることで、申請ミスを防ぎ、受給までの手続きをスムーズに進めることが可能です。
・社労士が行う助成金申請の流れ
1. 企業の状況をヒアリングし、適用可能な助成金を選定。
2. 必要な書類を作成(申請書、雇用契約書、就業規則など)。
3. 申請手続きを代行し、行政機関と連携。
4. 助成金受給後の報告書作成を支援し、継続的な助成金活用をサポート。

まとめてみた通り、障害者雇用を成功させるためには、法的な対応や助成金の活用が不可欠です。社労士に相談することで、以下のようなサポートが可能となります。
『障害者雇用に関する法的アドバイス』
『法定雇用率の確認と対応策の提案』
『合理的配慮の導入や労務管理の適正化』
『採用から定着までの支援策の立案』
『助成金申請・手続きのサポート(企業に適した助成金の選定と申請代行)』

社労士と連携することで、企業はスムーズに障害者雇用を進め、適切な支援を受けながら安定した雇用環境を整えることができます。関東近県の企業は、社労士の専門知識を活用し、持続可能な障害者雇用を実現することが重要です。今後、障害者雇用を検討する企業は、ぜひ社労士に相談し、適切なアドバイスを受けながら取り組みを進めていきましょう。

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