経営者が『本気で考える』障害者雇用

障がい者の定着で重要なこととは?

ここ数年、障がい者新規雇用数は年々上がっており、特に精神障がい者の新規雇用数は2005年の調査と比べると5倍近い伸び率となっています。
これはいろいろな要因がありますが、以前より障がい者雇用について前向きに採用を進める企業が確実に増えていることが原因となっています。

しかし定着率を見ると身体・知的障がい者で約4割、精神障がい者では約6割の人が1年以内に離職しているとの数字が確認できます。つまり、採用数が伸びていると言っても実態は働ける人が再就職を繰り返している実態が見えてくるわけです。最近では通常の社員でも転職を気軽にする時代となっているため、障がい者がより条件の良い企業へ転職をするということも考えられます。私自身も経験がありますが、少しでも早く働きたいと思うため、最初はどんな条件でも問題ないと考えますが、いざ働いてみると様々な条件で不満や物足りなさが出てきます。特に新卒後、一定期間働いた後に病気や怪我で障がいを負った人はそれなりの社会人経験があり、一定の業務能力と経験があるため、障がい者雇用として提示される簡易業務では物足りなさを感じやすいといったことが起こりやすようです。

では、会社として障がい者に定着してもらうためにはどうすればよいのでしょうか?賃金アップ、休みやすい環境作り、障がいに配慮した職場環境作り、評価制度の導入など、さまざまな方法が考えられています。ほとんどのことは大企業を中心に古くから障がい者雇用率を達成するために障がい者雇用を進めてきた企業では一つまたは複数の制度を導入しているところが多いようですが、あまり改善していないのが実態のようです。その一方で、書籍やテレビで注目される障がい者が辞めない中小零細企業が存在していることも事実です。いくつかそういった会社を見学したり、経営者に話しを聞きましたが、賃金水準や労働条件など大企業の方が実際には充実していたり、都内の会社であれば通勤についても通いやすかったりとその他の条件も充実していることも多いようです。

では、どこに定着率の違いが出るのでしょうか?私の結論は「障がい者として採用するのではなく、人として向き合って採用している」ということです。
当たり前でしょうか?
あなたの会社では次のような前提で障がい者の採用をしていませんか?
・障がい者の仕事はこういったものだ(掃除、社内の郵便物集配、名刺作りなど事務補助業務など)
・期間雇用や時間雇用の提示(1年ごとの更新契約、短時間勤務から変更なし)
・前職や年齢を検討しない賃金などの労働条件提示(最低時給や社内で一番低い月給)
・キャリアプランはノープラン(入社後の業務や部署の異動なし、最低限の昇給で実績評価なし)

自身も経験がありますが、まだまだ障がい者雇用の業務は「昔の障がい者」として与えていた仕事の範疇から抜け出していない企業が多く、普通は会社に残ってもらうためにおこなうような労働条件の提示をまったく障がい者にはおこなわない企業が多くあります。また、労働条件の提示や変更するシステムを入れていても雇用している障がい者のニーズに合っていない的外れなものであることは多いように感じます。
もちろん会社の規模や業務内容によって提示できる条件には限度がありますが、障がい者がどういったことを望んでいるのかは本人に確認することで検討、返答をすることが出来ます。

私が多くの障がい者雇用支援を依頼されて企業にヒアリングをして驚くことは、採用した障がい者本人の情報をびっくりするくらい知らないことです。
病気や生活環境など基本的な事だけでなく、どういった仕事をしたことがあるのか、どういった仕事をしたいと思っているのかなど、採用面接時に通常は聞くようなことでさえ聞いてないことも多くあります。障がい者、とくに精神障がい者の定着を考えるには、まず、採用後の勤務や通院・服薬管理など、「仕事をするための最低限クリアーする事項」を守っているのか定期的に聞き取りしていくことが重要です。定期的な面談や昼食会など、最低でも半年から1年程度の継続支援をおこなわずに定着支援対策のシステムを入れても意味がありません。まずは、「定期的なコミュニケーションの場の提供」と「話し安い環境作り」の重要性を認識してもらいたいと思います。

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