労務経営ブログ
外国人労働者を雇う場合のリスク
21日の朝日新聞朝刊に「外国人雇用に捜査の手」という記事が出ていました。
昨年秋に都内の会社でオーバーステイしているベトナム人を派遣したとして会社及び代表者が
書類送検を受けた記事を中心としたものです。この事件は結局、不起訴となりましたが、会社
が不正をしたものではなく、ベトナム人がメールで添付した在留カードの写真が偽造されてい
たと捜査段階で判明していました。会社としては不正が見抜けなかったとして不可抗力を主張
しましたが、認められず立件されたものとなります。
いままではこのような場合、会社としてコピーなどで確認をしておけば、あくまで不正をした
外国人側の問題となっていましたが、現在は、使用者側が出入国管理法違反として捜査を受け
るケースが増えています。ちなみに起訴されたり、それが原因で派遣法許可が取り消される例
も出てきていることに注意が必要となります。
会社としてはこういったことを防ぐために、在留カードを写真やコピーによる確認ではなく、
原本を提出してもらい確認をする必要がありますが、実際にやっている企業はほとんどありま
せん。
ちなみに在留カードにはICチップが付いているので、スマホで読み取りカードと読み取っ
た内容が一致しているか確認できるようになっています。
日本人は相手が騙そうとしていると考えない性善説で物事を考えますが、経験上、外国人
による偽造は思ったより多いという実態があります。外国人雇用は一昔前のようにコンビ
ニや工場だけでなく、さまざまな場所で働いていることを目にするようになっています。
それだけ一般企業でも雇用する機会が増えていることになりますので、この意識を改善し
ないといつ操作の対象になるかわからないという感覚を身に着ける必要があります。