労務経営ブログ
緊急事態宣言解除で増えた労働相談2点
緊急事態宣言が解除されてから1週間程度経ちました。テレワークを止めて出勤が開始された企業が増えましたが、それにより増えた労働相談は次の2つ。
1.マスク問題
少し前にマスクを付けないで飛行機を下ろされたとか、飲食店から出ていくように言われたなどがマスコミで報道されていましたが、緊急事態宣言が解除され、コロナ感染者が減少したせいか、出勤する社員の中でマスクをしないとかいわゆる鼻を出す鼻マスクをして社員間で揉め事が増えている相談が出るようになりました。
うちの顧問弁護士さんの見解では、安全衛生上、社員にマスクをすることを義務付けても問題ないと言われているので、その旨で助言をおこなっていますが、「個人の自由だ」とか「人権侵害だ」、「奴隷じゃない(?)」とか反発されることが多いようです。
この問題はワクチン接種者が増えると多くなるような気がしていました。
2.契約社員や派遣社員に対する言動や態度
これも昔からある問題ですが、正社員が契約社員や派遣社員に対して「休憩室を使うな」とか「社員食堂を使うな」、「エレベーターを使うな」とか言ったり、舌打ちしたりする行為が目立つようになったという相談が増えました。ちなみに私も月一で手続きをおこないに行く会社があるんですが、そこに設置されている無料の自動販売機を使おうとしたら「派遣は使うなよ。ずうずうしい」って言われたことあります(当然、そんな運用はされていない)。
この問題も根深いんですが、コロナ禍前はそれなりに落ち着いていた気がしますが、出勤が開始されて、そういったことを言われたってクレームが総務に挙がってくる事案が増えているようです。
どちらもすぐにパワハラや新しいハラスメントとして騒がれるリスクがある問題です。気が付いたら的確に、厳正に対処を進めないと簡単に炎上するリスクがあるので注意が必要です。マスク問題は別として、派遣などに対する諸問題は、簡単に産休・育休休業者、高齢者、障害者へのいじめ問題に波及するため、ハラスメント研修の強化などの対応を検討する必要があります。