労務経営ブログ
退職勧奨を円滑に進める方法~4.対象者の選定~
退職勧奨で大事なことは何でしょうか?対象となる従業員から「合意退職」を得ることです。すべての準備はそれを得るために進めることを忘れてはいけません。そのためには対象者の選定をおこなうことも、そういった視点を持って選定をする必要があることを忘れないようにしましょう。なぜなら合意退職を納得してもらうためには、従業員に納得いく理由を説明する必要があり、従業員にも納得できる必要があります。多くの退職勧奨事案ではこの視点が抜けていることが多いので注意が必要です。この視点が抜けているため、上司の好き嫌いで選定してしまい、「整理解雇の4要件」の一つである「被解雇者の選定の合理性」に違反してしまい、面談をハラスメントとされ違法な退職勧奨とされるリスクにも繋がります。
では、どういった基準が「合理的」と言えるのか?しっかりとした選定基準を示した例はありませんが一般的に①過去から現状までの評価内容、②過去直近のパフォーマンス、③身体・精神的な疾患や健康状態、④勤続年数、⑤同期の人数、⑥懲戒歴などを総合的に判断することになります。同期の人数などは、経済状況などにより新卒採用の人数に違いがあり、勤続年数に見合ったポストが用意できないなどの理由により、社外への転用を求めることもあるでしょう。一昔前は大手企業などでは子会社に移動させるなどことなどにより、人数調整をおこなっていましたが、現状でそのような余裕のある企業は少ないのでこういった理由で退職勧奨を進める企業も多いと思います。ちなみにこういったことは上級職の公務員でも行われており、公務員の場合は天下り先などで受け入れがされていますので、やはり公務員は優遇されていると思わされます。こういった情報は退職者の選定だけでなく、退職勧奨の面談をおこなうための情報として役立ちますので、集められる情報はなるべく多い方が面談時のリスク回避に役立つでしょう。