労務経営ブログ

解雇は最後の手段!労働時間短縮・業務内容の見直しで負担軽減を図る

企業の生産性向上や従業員の働きやすさを考えたとき、労働時間の短縮や業務内容の見直しは非常に重要な課題です。特に長時間労働が慢性化している職場では、従業員の疲弊が進み、最悪の場合に退職や解雇の原因になりかねません。関東近県の企業でも、働き方改革の一環として、労働時間の短縮や業務の効率化に取り組む動きが広がっています。ここでは、過重労働を解雇の原因にしないためのポイントと、柔軟な働き方を導入した企業の事例を紹介します。

〇過重労働が解雇の原因にならないために
1.過重労働が企業と従業員にもたらすリスク
長時間労働が続くと、従業員の健康問題だけでなく、企業の生産性低下や人材流出のリスクも高まります。特に疲労やストレスが原因でパフォーマンスが低下すると、仕事のミスが増えたり、業務効率が落ちたりする可能性があります。その結果、「能力不足」と判断されてしまい不本意な解雇につながるケースもあります。
また労働基準法では、法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超える場合、適切な割増賃金の支払いが義務付けられています。これを守らない企業は、労働基準監督署からの指導や罰則を受けるリスクがあり企業イメージの低下にもつながります。

2.業務内容の見直しが解雇回避につながる
過重労働の根本的な原因は、業務量の過多や非効率な業務フローにあることが多いです。そのため解雇を回避するためには、業務内容を定期的に見直し効率化を図ることが重要です。
具体的な対策としては、以下のような取り組みが考えられます。
(1)業務の優先順位を明確にする
緊急性・重要性を考慮しつつ業務の割り振りやスケジュールを立てることで、不要な業務を削減することに繋がります。例えば、報告書のフォーマットを統一することにより、作成時間を短縮ことが可能となります。

(2)業務の自動化・デジタル化を進める
現在、ルーティンな作業はRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)で進めることも一般的に導入が進んでいます。費用も依然と比べると大幅の低下しており、生成AIによりプログラミングを社内で進めるサービスもできる場合があり、中小企業でも導入が現実的な手段となっています。またクラウドサービスを導入し、定型業務を自動化することも進んでいます。経費の精算はどの企業でも遅れがちで後回しになりがちな業務ですが、経費精算システムを導入することにより移動時間など短時間の細切れな時間で進めることが可能となります。また、スマートフォンのカメラ機能で読み取ることで手作業での処理時間を削減が可能です。

(3)チーム内で業務の分担を見直す
チーム内で仕事の割り振りは得てして、同じ人間、異動があってもその仕事を引き継いだ人が永続的に進めるということが珍しくありません。これは特定の社員に負担が集中してしまう原因となりますし、効率的な配分となっていない可能性があります。業務の役割を適切に分担するように定期的な見直しをすることで、効率化が進むことは意外と多くあります。 例えば、1人の担当者がすべての顧客対応を行うのではなく、チームで対応する仕組みを作るなどをおこなうことで、特定の人が休職などでいなくなった時の事態のリスク管理にもつながります。この時に冗長だけで判断するのではなく、チーム内の話しを聞いて考えることも重要です。

〇柔軟な働き方の導入事例
関東近県の企業では、労働時間の短縮や業務効率化を進めるために、柔軟な働き方を導入する動きが活発になっています。ここでは、実際に進めた企業の成功事例をいくつか紹介します。

1.フレックスタイム制度の導入(東京都・IT企業A社)
A社は、都内でシステム開発を手がけるIT企業です。かつては固定時間勤務が主流なため、プロジェクトごとに業務量の増減が激しく、一部の社員に過重労働が発生し、工程残業制度の導入などにより社員間で賃金格差への不満が蔓延しています。そこで、「フレックスタイム制度」を導入し、業務の繁閑に応じて柔軟に働ける環境を整えました。
・導入後の変化
出社時間を選択して勤務できるようになり、また、電話などが少ない土曜日に集中して業務を進めるなど自主的なワークライフバランスを社員が独自に考えられるようになりました。こういったことにより社員のストレスが軽減につながりました。実際に、離職率の低下だけでなく、メンタルヘルス疾患の発症による休職が如実に数字に表れるようになりました。繁忙期以外の時間を有効活用できるようになり、社員間同士のサポート体制の構築がされることに繋がり、全体の業務効率が向上しました。実際の売り上げが、5年間で倍増しています。

2.在宅勤務とオフィスワークのハイブリッド化(神奈川県・メーカーB社)
B社は、横浜市に本社を構える製造業の企業です。コロナ禍以降、一部の業務はリモートワークが可能であることが判明したため、週2~3日の在宅勤務を正式に制度化しました。
・導入後の変化
通勤時間の削減により、社員のワークライフバランスが向上しました。一人で集中して作業することが必要な業務は在宅勤務で行うことで、生産性の向上につながりました。B社では、対面でのコミュニケーションを重視する企業文化があり、どういった業務が在宅勤務で行うことが出来るかを明確化することにより、オフィスワークと在宅勤務を適切に組み合わせることで業務の質を維持しています。こういった点をしっかりと取り決めしていない企業では在宅勤務の問題が発生することが多いため、参考にしてもらいたい事例です。

3.週休3日制の試験導入(千葉県・小売業C社)
千葉県にあるC社は、従業員の離職率が高いことが課題となっていました。特に小売業界は土日の勤務や祝祭日の店舗営業があるため、シフトを調整しても長時間労働や休日出勤になりやすい傾向があります。そこで、希望者に対して週休3日制を試験導入してみました。
・導入後の変化
週の総労働時間が短縮したこたことにより、従業員の負担軽減に直結しました。また、目に見える休みが増えたことで、社員のモチベーション向上が向上しました。これにより評判が高まったことや口コミなどが拡散したことが影響し、採用活動においても「週休3日制がある企業」として差別化に成功した結果、採用が進み、離職率の減少にもつながりました。
C社では、業務効率を上げるために業務フローを見直し、従業員の生産性向上を実現しました。

過重労働が続くと、従業員の健康やモチベーションに悪影響を及ぼし、最悪の場合は解雇の原因となることもあります。しかし、労働時間の短縮や業務内容の見直しを行うことで、企業と従業員の双方にとってプラスの結果を生むことが可能です。関東近県では、フレックスタイム制度、在宅勤務、週休3日制など、柔軟な働き方を導入する企業が大企業だけでなく、人手不足で困っている中小企業でも導入が増えています。これらの取り組みは、単に労働時間を減らす、時給や賃金をアップするだけでなく、業務の生産性を向上させることにより従業員が働きやすい環境を整えることにもつながります。
企業が持続的に成長するためには、過重労働を防ぎ、適切な働き方を提供することが重要です。労働時間の短縮や業務効率化を進めることで、解雇を避けるだけでなく、従業員の満足度やエンゲージメント向上にもつながるでしょう。

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