労務経営ブログ
テレワークは今後どうなる?関東近県の企業の悩みとは
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、多くの企業が緊急対応として導入したテレワーク制度ですが、感染症が落ち着きを取り戻してきた2023年以降は社会が通常の生活へと戻り、出社勤務へ回帰する動きが国内だけでなく、海外の有名企業でも加速しています。関東近県の企業でも、テレワークを廃止したり、縮小したりするケースが増えています。
一方で、「完全出社には戻さず、一部でテレワークを維持する」という選択をする企業も少なくありません。テレワークは、通勤時間の削減やワークライフバランスの向上などのメリットがあるため、従業員の満足度向上にもつながります。しかし、企業側から見ると「労務管理が難しい」「コミュニケーションが不足する」などの課題があるのも事実です。
ここでは、関東近県の企業におけるテレワークの現状や、継続するメリット・デメリットを整理し、今後の方向性について考えていきます。
〇コロナ禍の終息により、テレワークの必要性が低下している現状
2020年から2022年にかけて、多くの企業がテレワークを導入しました。特に、東京都や神奈川県、千葉県、埼玉県といった関東近県の企業では、政府の要請もあり、オフィス勤務からリモートワークへ急速にシフトしました。しかし、2023年以降は社会全体が通常の経済活動へ戻り、多くの企業が「テレワークの必要性」を改めて考え始めています。
1.関東近県の企業の動向
総務省の調査によると、2020年には全国の企業の約6割がテレワークを実施していましたが、2023年にはその割合が約3割まで低下しました。特に、製造業や小売業、飲食業など、対面での業務が中心となる業種では、テレワークの廃止が進んでいます。一方、IT業界やコンサルティング業界など、業務の多くをオンラインで完結できる企業では、テレワークを継続している企業も少なくありません。特に、関東近県の大企業では、オフィスの縮小やフリーアドレス化(固定席を廃止し、自由に座席を選べる制度)を進めながら、一部テレワークを維持する動きが見られます。
2.しかし、一部の企業では継続を検討する動きも
テレワークの縮小が進む一方で、完全な出社勤務に戻すのではなく、柔軟な働き方を維持しようとする企業も増えています。これは、以下のような理由によるものです。
(1)従業員の満足度向上と離職率の低下
関東近県では、通勤時間が長いことが従業員の負担になりやすいエリアです。特に、都心部にオフィスを構える企業では、埼玉・千葉・神奈川から片道1時間以上かけて通勤する従業員も珍しくありません。テレワークを導入することで、通勤ストレスが軽減され、従業員のモチベーション向上や定着率の向上につながります。
(2)採用競争力の向上
人材確保が課題となっている企業にとって、テレワークは大きな武器となります。特に、優秀な人材を確保するためには、柔軟な働き方を提供することが求められます。テレワークを許可することで、地方在住の優秀な人材を採用できる可能性も広がります。
(3)オフィスコストの削減
関東近県では、オフィスの賃料が高額です。テレワークを導入することで、オフィスの面積を縮小し、コスト削減につなげることができます。実際に、テレワークを継続しながら、オフィスの移転や統合を進める企業も増えています。
3.テレワークのメリットとデメリットを整理し、今後の方向性を考える
テレワークを継続するかどうかを判断するには、メリットとデメリットを正しく理解することが重要です。企業としては、以下のようなメリットとデメリットがあります。
【メリット】
・通勤時間の削減:従業員の負担軽減、ワークライフバランス向上
・オフィスコストの削減:賃料や光熱費の節約
・柔軟な働き方の実現:育児・介護との両立がしやすい
・採用競争力の強化:地方の優秀な人材を確保しやすい
【デメリット】
・労務管理が難しい:勤怠管理や評価制度の見直しが必要
・コミュニケーション不足:チームワークが低下する可能性
・生産性のばらつき:自己管理能力が求められる
・社内文化の希薄化:帰属意識が低下するリスク
4.今後の方向性:テレワークはどう活用すべきか?
テレワークを続けるか、完全に廃止するかは企業の状況によりますが、多くの企業にとって「完全出社」か「完全リモート」のどちらかを選ぶのではなく、「ハイブリッドワーク(テレワークと出社の併用)」が現実的な選択肢となるでしょう。例えば、「週2回は出社、その他はテレワーク」「職種ごとにテレワーク可否を決定する」といった柔軟な制度を採用する企業が増えています。
また、テレワークを継続する場合は、労務管理の強化が欠かせません。勤怠管理ツールの導入や評価制度の見直しを行い、テレワークでも公平な評価ができる環境を整えることが重要です。
関東近県の企業では、テレワークの継続をめぐる議論が活発に行われています。テレワークには多くのメリットがある一方で、管理面やコミュニケーション面の課題も存在します。今後の働き方を決める際には、企業の特性や従業員のニーズを考慮し、最適な形を模索することが求められます。