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障害者雇用の成功に向けた面接術~面接時に意識すべきコミュニケーションのポイント ~

障害者雇用の面接では、応募者の能力や適性を正しく評価することが重要です。しかし、一般の面接とは異なり、障害の特性に応じた配慮をしながら進める必要があります。企業側が適切なコミュニケーションを取ることで、応募者の不安を軽減し、本来の力を発揮できるようになります。面接時に意識すべきコミュニケーションのポイントとして、「障害の特性に応じた配慮」と「伝え方・話し方の工夫」について詳しく解説します。

〇障害の特性に応じた配慮とは?
障害にはさまざまな種類があり、それぞれの特性に応じた対応が求められます。以下では、主要な障害のタイプごとに面接時の配慮ポイントを紹介します。
1.身体障害(肢体不自由、視覚障害、聴覚障害など)
● 車椅子利用者への配慮
・面接会場はバリアフリーになっているか確認する(エレベーターの有無、通路の広さなど)。
・面接中に長時間同じ姿勢を保つのが難しい場合があるため、適宜休憩を挟む。
・机や椅子の高さを調整し、快適に面接ができるよう配慮する。

● 視覚障害者への配慮
・書類やテストを使用する場合は、音声読み上げソフトの利用を許可する。
・口頭での説明を重視し、表情やジェスチャーに頼らず明確に話す。
・面接会場の案内や誘導を丁寧に行う。

● 聴覚障害者への配慮
・筆談や手話通訳者の用意を検討する。
・口元をはっきり見せて話し、ゆっくりと発音する。
・可能であれば、事前に質問リストを共有し、筆記での対応ができるようにする。

2.知的障害者への配慮
・難しい専門用語や抽象的な表現を避け、具体的な言葉を使う。
・一度に多くの情報を伝えず、短い文章でゆっくり話す。
・応募者が理解しやすいように、質問の意図を明確に伝える。
・「はい・いいえ」で答えられる質問を増やし、負担を軽減する。

3.精神障害(うつ病、双極性障害、不安障害など)
・圧迫感のある面接にならないよう、リラックスできる雰囲気を作る。
・過去の病歴や症状について過度に詮索せず、現在の働ける状態に焦点を当てる。
・面接時間を長くしすぎず、集中しやすい環境を整える。
・一時的に緊張が高まった場合、落ち着く時間を与える。

4.発達障害(自閉症スペクトラム障害、ADHDなど)
・曖昧な表現を避け、具体的に質問する(例:「チームワークは大事ですよね?」ではなく、「過去にチームで取り組んだプロジェクトの経験を教えてください」)。
・音や光に敏感な場合があるため、静かな環境で面接を行う。
・話の流れを整理し、応募者が混乱しないように工夫する。
・面接の進行を事前に説明し、何を聞かれるのかを明確に伝える。

〇伝え方・話し方の工夫
面接時の伝え方や話し方を工夫することで、応募者がリラックスし、本来の力を発揮しやすくなります。以下のポイントを意識しながら進めましょう。

1.ゆっくり・はっきり話す
応募者が緊張していたり、障害の特性上理解に時間がかかる場合があります。急かさず、ゆっくりとはっきり話すことで、面接がスムーズに進みます。
例:
・NGな例:「この業務では、定型業務以外にイレギュラーな対応も求められますが、大丈夫ですか?」
・OKな例:「この仕事では、毎日決まった作業をすることが多いですが、時々予想外の対応が必要になることもあります。こうした場面での対応は可能ですか?」

2.質問の意図を明確にする
一般的な面接では抽象的な質問が多くなりがちですが、障害者雇用ではより明確な表現が求められます。
例:
・NGな例:「あなたの長所は何ですか?」
・OKな例:「あなたがこれまでの仕事や学校で得意だったことを教えてください。」

3.一つの質問に対して、時間を与える
障害の特性上、すぐに答えられない場合もあります。焦らせず、考える時間を与えることで、適切な回答を引き出しやすくなります。
例:
・NGな例:「すぐに答えてください」
・OKな例:「少し考えてからお答えいただいて大丈夫ですよ。」

4.相手の話を最後まで聞く
応募者のペースに合わせ、話を最後まで聞くことが大切です。途中で遮ることなく、相手の言葉を尊重しましょう。
例:
・NGな例:「それは違うと思いますが…」
・OKな例:「なるほど、そのように考えているのですね。」

障害者雇用の面接では、適切なコミュニケーションが成功のカギを握ります。
・障害の特性に応じた配慮を行う(会場の準備、筆談・手話の対応、質問の仕方など)
・伝え方・話し方を工夫する(ゆっくり話す、質問の意図を明確にする、時間を与える)
・応募者がリラックスできる環境を作る(圧迫感を避け、話を最後まで聞く)

企業側がこれらのポイントを意識することで、障害者が安心して面接に臨むことができ、より良いマッチングが実現します。適切なコミュニケーションを通じて、障害者が活躍できる職場づくりを進めていきましょう。

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