労務経営ブログ
【人事コラム】「大人のいじめ」は職場で静かに進行する ──自殺リスク3倍の現実から、人事部門が取るべき3つの対策とは
ある中小企業の営業部門で起きた事例です。
40代の男性社員が、ある時から職場で無視されるようになり、飲み会にも誘われなくなり、LINEグループからも外されていた。
本人は「自分の思い過ごしかもしれない」と口にしつつ、やがて心療内科に通院、休職に至りました。
周囲に悪意があったわけではない。
ただ、“いじり”や“冗談”がエスカレートし、誰も止めなかった──それだけです。
これは、決して稀なケースではありません。
■ データで見る「大人のいじめ」の現実
* 職場いじめを「見たことがある」人:**約6割(日本国内)**
* そのうち「何もしなかった」人:半数以上
* 男性のいじめ被害者は、自殺行動リスクが約3倍(RECORDs研究/デンマーク)
つまり、見えないところで人が追い詰められている可能性は、常にあるのです。
■ 制度があっても「防げない理由」
ハラスメント防止に関する制度や窓口を整備している企業は、今では多数派です。
しかし、それだけでは十分とは言えません。
いじめの“芽”は制度の外側──**現場の空気感や日常のやり取り**に潜んでいるからです。
そして、その空気を最も早く察知できるのが、人事部門。
人事が“黙認”の立場にとどまってしまうと、制度は機能しません。
■ 人事が実行すべき3つの具体策
① 「グレーゾーン」を放置しない
* 挨拶をしない、飲み会に呼ばない、LINEから外す……
* 単独では問題視されにくい行動でも、複合すればパワハラの要件に十分該当します
人事として、「これは問題にならないレベルだ」と切り捨てるのではなく、組み合わせ・継続性・背景を踏まえてリスクを判断する目線が必要です。
② 相談対応の研修を必須化する
* 被害者が勇気を出して相談したのに、「考えすぎじゃない?」「あの人はそういうキャラだから」といった反応をされる。
* この“無意識の否定”こそ、被害者を深く傷つける要因になります。
人事部門主導で、**傾聴と初期対応のスキルを社内研修として設計・浸透**させることが求められます。
③ 「目撃者」を支援対象に含める
* いじめは密室で起きがちですが、目撃者が沈黙することでエスカレートするケースも多くあります。
* 通報者や目撃者に対する匿名通報制度や支援対象の明示を含め、傍観者を防ぐ仕組み作りが重要です。
■ 企業にとってのリスクは“見過ごし”から始まる
人事部門がこの問題に本気で取り組まないと、以下のようなリスクが現実化します:
* メンタル疾患による労災認定リスク
* 離職・休職による人件費と生産性低下
* 組織風土・企業イメージの毀損
* 採用力の低下とコスト増
いじめは、組織の「静かな崩壊」の始まりです。
人事こそが“未然防止の仕組み”を設計する立場なのです。
■ 東京中央エルファロの支援内容
私たちは、社会保険労務士法人として、以下のような人事支援を提供しています:
* ハラスメント・いじめ防止のための社内研修設計
* 「グレーゾーン対応力」を高める内部監査支援
* 相談対応スキームの構築と制度設計
* 現場の空気を可視化する従業員意識調査の設計
「制度はあるが、運用に不安がある」
「実際に、気になる事案がある」
そういった段階からでも、ぜひご相談ください。
職場のいじめ問題は、時として「制度があるから大丈夫」という油断から深刻化します。
人事こそが、社員の心の安全を守る“最前線”である──
その信念を持ち、私たちも企業の伴走者として支援していきます。
自殺行動リスク3倍:「大人のいじめ」は我慢するしかないのか? 命を削る職場の現状の深刻さと防衛策は?
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/6cb62ab6e75dbf641d7e5d356f1855e99599b3ca




