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【ニュース】「人事権の濫用」で無効~リコー出向訴訟~
大手複写機メーカーのリコーが、男性社員2人を経営悪化を理由とする子会社の出向を命令した行為を無効として争われていた裁判が11月12日に東京地裁で行われました。東京地裁は、「人事権の乱用」にあたるとして出向命令の無効を言い渡しました。
訴えていた2人は、2011年9月にリコーより経営環境の悪化を理由として、東京都内の配送センターである子会社に出向を命じられ、梱包作業などの単純作業の仕事をしていました。2人はいままで、技術職として長く働いていましたが、まったく畑違いな職種に配置転換されています。
判決では、「出向命令は(経営上必要な)固定費削減が目的とは言い難く、原告の自主退社を期待して行なわれた。人選の合理性も認められない」と指摘しています。
この判決は、年末などからマスコミを騒がせている「自主退職を期待する追い出し部屋」と言われてる部署へ異動させる行為は、明確に認められないと打ち出したものと思われます。
リコーは判決を不服として即日控訴しているため、確定はしていませんが、リストラであればなにをやっても許されるという風潮に警鐘を鳴らしたものと言えると思います。