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【ニュース】「障害基礎年金の障害認定の地域差に関する調査結果」~厚生労働省
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1月14日、日本年金機構は、障害基礎年金について新規に申請を受けて決定を行った事例のうち、都道府県の事務センターにおいて不支給と決定された件数の割合が都道府県間で異なることから、各都道府県における障害基礎年金の認定事務の実態を調査し結果を公表しました。
<調査結果のポイント>
1.障害基礎年金について新規に申請を受けて決定を行った事例のうち、精神障害・知的障害にかかる事例の割合が全体の66.9%を占めていた。また、不支給割合が高い県は、精神障害・知的障害の等級非該当割合(注)が高く、不支給割合が低い県は、精神障害・知的障害の等級非該当割合は低かった。
(注)決定を行った事例のうち、障害の程度が2級に達せず、都道府県の事務センターで不支 給となる件数の割合をいう。
2. 肢体の障害の等級非該当割合は、不支給割合が低い県でも低くない場合があるなど、不支給割合の地域差と必ずしも同じ傾向となっていなかった。
3. 内部障害や外部障害(肢体の障害を除く)の等級非該当割合は、ある程度の地域差がうかがえるが、抽出した事例数が少ないことから、地域差の傾向を確認することは困難であった。
4. 精神障害・知的障害の年金支給状況を、診断書の記載項目の一つである「日常生活能力の程度」で見ると、
不支給割合が低い10県においては「日常生活能力の程度」が(2)相当であることが障害基礎年金を支給する目安(障害等級2級相当)となっている一方、不支給割合が高い10県においては「日常生活能力の程度」が概ね(3)相当であることが障害基礎年金を支給する目安となっていた。
※ 精神障害・知的障害については、診断書に記載された「日常生活能力の程度」のみではなく、具体的な症状や治療の経過、日常生活状況等を総合的に評価し、認定しているため、診断書に記載された「日常生活能力の程度」が同じであっても、認定結果に差異が生じることはあり得る。
「日常生活能力の程度」が(2)の場合
不支給割合が低い10県→5.3%が等級非該当
不支給割合が高い10県→70.8%が等級非該当
なお、国民年金・厚生年金保険障害認定基準では、2級は「残遺状態又は病状があるため人格変化、思考障害、その他妄想・幻覚等の異常体験があるため、日常生活が著しい制限を受けるもの」(統合失調症の例)などと規定されている。
5. 精神障害・知的障害の診断書に就労状況についての記載がある場合の等級非該当割合(12.5%)と、記載がない場合の等級非該当割合(11.9%)に、大きな差異はなかった。
6. 初診日不明による却下処分となった割合は、全体で0.7%であった。また、初診日の判定にかかる地域差の傾向を確認することは困難であった。
これを見ると一般的に言われている数値など黙視できる結果が出る身体障害の判定に比べ、精神障害や知的障害など症状の解釈に裁量の余地があると地域差が出ることが分かる統計だと思います。
また、私は代行案件の8割以上が身体障害となるため、あまり精神の案件を取り扱いませんが、就労状況による判断はこの統計より厳しい見方がされていると思われます。本当に差がないのでしょうか?
障害年金の裁定請求は、現在は初診日の証明などを除けば、診断書と申立書のみで判断されています。「病名でもらえる訳ではない」「就労が判定に影響されない」と言うのであれば、そろそろ書面のみの審査でなく、実態調査などもう一歩踏み込んだ体勢作りが必要ではないかと思います。